『11月20日開催シンポジウム』登壇者紹介②社会福祉法人天祐会 自立援助ホーム未来の杜

11月20日開催のシンポジウムVol.3の登壇者をご紹介します。

今回のシンポジウムのテーマは市町村でできるアフターケア。アフターケアは特定の機関や団体だけで行うのではなく地域のみんなで行っていくものです。では、私たちの市町村にはアフターケアの担い手としてどのような機関や団体があるでしょうか。今回は千葉市を題材として実際にアフターケアに携わる様々な機関や団体の方々に登壇していただき、日頃のアフターケアとしての関わりや想いをリレートークしていただきます。

本日紹介する登壇者は千葉市で社会福祉法人天祐会さんが運営する自立援助ホーム未来の杜さんです。自立援助ホームは児童福祉法では児童自立生活援助事業として規定されていて共同生活を通じた日常生活上の援助及び生活指導並びに就業の支援、そしてアフターケアを実施することとされています。未来の杜さんは2017年の開設以降、たくさんの子ども・若者達の生活を支えてきました。

以下、自立援助ホーム未来の杜の平安さんからのメッセージです。

自立援助ホームとは?

(ホームを利用できる対象者)
様々な理由から家庭で暮らす事ができなくなってしまい、社会的養護が必要な子ども達が住める家です。(16才~20才※22歳まで暮らしを延長できる場合も有り。)2021年7月時点では自立援助ホームは全国で213ホームあります。ホームの定員は6~15名程。

また、ホームを利用している子の多くは児童相談所を通しての入所となります。時々、学校関係者や市役所からの相談から繋がり入所となるケースもあります。行き場のなくなってしまった子ども達本人からの入所相談も、もちろんできます。「入所や退居」のタイミングは基本的には本人が決められる事になっています。

職員は、入所から退居までのプランを一緒に考えます。ホームに暮らしている間は、就労支援や生活支援をしていきます。そして退居して一人暮らしを始めてからも、色々な相談を受け、連絡は取り合います。退居後も細く長くお互いが連絡を取りあえる関係でいられるアフターケアになれる様、暮らしの中では寄り添う事を大切にしています。

ホームに入所した子ども達は、一人暮らしの準備の為に、入所後は仕事をしてお金を貯める事や、資格取得を目指して学校に通う子もいます。しかし全員がこの様な生活のルーティンを日々こなせる訳では無く、過去に経験した虐待等の心の傷が深く、今はひと休みして、充電をしてココロとカラダを休めている子もいます。また、犯罪を繰り返してしまい誰かに迷惑をかけてしまう場合もあります。

援助ホームでは、自立の階段を歩き出せるタイミングも人それぞれです。

「ホーム料」
児童養護施設と異なる点のひとつは、自立援助ホームの利用者は毎月ホーム料を納めます。全国的にも月3万円が平均です。内訳は家賃、光熱費、食費などが含まれます。現状、未成年で社会経験の少ないフリーターや学校に通いながらアルバイトをして、その中からホーム料や、一人暮らしの為の貯金、自分の為に使えるお金を稼ぐ事は、とても大変な日々です。しかし、ホーム料を納める事ができている人の中には自分で働いて稼いだお金でホーム料を払い今は暮らせている事が本人のやる気や自信に繋がる場合もあります。

未来の杜で大切にしている事・・・
たくさん温かくされる経験、人に頼り頼られる経験、挑戦したいと思う気持ちを大切にしています。

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この記事を書いた人

アフターケアネットワークちば子ども若者