児童養護施設の高校生向け出張ワークショップを行いました

本日は千葉県内の児童養護施設の高校生合宿に訪問して高校生向けのワークショップを行いました。

テーマは最近話題の18歳成人について。18歳成人は「契約」トラブルのおそれ等が報じられていますが、社会的養護の子ども・若者達にとってはその他にもうひとつ大きな影響があります。

児童養護施設や里親家庭での生活は児童福祉法に基づく児童相談所の「措置」で行われているものです。この「措置」は行政機関が子どもを守るためにする命令の一種ですが、様々な事情から措置先を決めるときに100%子ども本人の希望通りに決められるわけではありません。

18歳成人になるとこの「措置」の考え方が変わってきます。今までは子どもとして守られる存在として扱われていたのが、児相や施設の職員とも対等な大人として扱われるようになります。そして18歳になった後も社会的養護の支援を受け続けるかどうかは、今度は本人の希望に委ねられることになります。

また、施設や里親家庭の生活の中では子どもを守るために様々なルールが決められがちでしたが、今後は本人と施設職員や里親さんとが話し合った中で合意形成してルールを決めていくことがより求められるようになります。

セミナーの中では子ども・若者達と施設職員さんとで18歳成人を踏まえてルールをどのように考え直していくかで活発な議論が行われました。

「大人になったら本人が責任を持つのだからルールはもっと緩めて良いのではないか」、「金銭管理は不安だから18歳になった後もお願いしたい」「4月生まれの子どもと早生まれの子どもとで不公平なことになるので18歳の学年になったら一律ルールを見直してほしい」「18歳になってから決めるのではなく16歳や17歳の頃から少しずつルールを緩めて任せていってほしい」などなど…。

18歳成人は確かに心配な側面もありますが、社会的養護の子ども・若者達が自分で考え決めていけることが増えるという側面もあります。今後、各施設でこうした議論が活発に行われるようになっていくと良いですね。

この記事を書いた人

アフターケアネットワークちば子ども若者